「はじめましてオモチャラヘッチャラの管理人のアイーダさん、わたくしタイ在住のドラゴンボールファンのラドチャイといいます。ブログ拝見しました。お食事しませんか。タイで。」
という常軌を逸したメッセージが、当ブログのお問い合わせから来た。
自分から食事誘っておいて、来いと言うのだ。タイに。いかれてる。
面白い。行ってやる。
というわけで、タイ在住のドラゴンボールファンのラドチャイとの談を記す。
なお、この物語はフィクションである。
9:55
格安航空会社が提供するバンコク行きの便に搭乗するため成田空港へ。
成田空港内の本屋にはドラゴンボールの画集が訪日外国人向けにアッピールされていた。さすが世界のドラゴンボールである。
14:25
タイ・ドンムアン空港到着。
広大な到着ロビーでも、ラドチャイは一発で分かった。ドラゴンボールのシャツを着ていた。相当ドラゴンボールが好きなのだろう。
普通の服を着てきた自分に、なんだか罪悪感を覚えた。
ラドチャイ「おお〜、はじめましてアイーダ!」
アイーダ「はじめましてラドチャイ!」
15:20
空港からはタクシーで、街へ向かった。
ラドチャイは流暢な日本語で僕のブログの感想を言ってくれる。
ラドチャイ「アイーダ、君の類い稀ない洞察力を持ってしてのフィギュアレビューは素晴らしい!しかもブログの取り扱い商品は最近のものだけでなく昔のものもあり幅広い。とてもクールだよ!」
アイーダ「センキュー、ラドチャイ。」
ラドチャイ「しかしたまにあるドッカンバトルの記事、あれはいらないね。ドッカンバトルの記事は君の仕事ではない。うんたらかんたら。」
彼は僕のブログを隅々まで、見てくれて楽しんでくれていた。そして適切なアドバイスまでくれた。非常に嬉しかった。
かくもドラゴンボールブログについて語ってくれるのだから、この人とは一生の友人になれるだろうと私はこの時「誤った感触」を抱いていた。
16:30
ラドチャイが案内してくれた店で、食事をすることに。
ラドチャイ「パイナップルとチャーハンを組み合わせたこの料理は『カオパットサパロット』というんだ。」
アイーダ「少し名前がカカロットに似ているねえ。ははは。」
ラドチャイ「…。」
あれ?ぴくりとも笑わない。。すべったか。。
ラドチャイ「さて、本題に入ろうか。」
本題?
ラドチャイ「これを見てくれ、アイーダ。」
アイーダ「塗りがひどいなあ。1999年発売の『ガシャポンEX HGシリーズ ドラゴンボール 超サイヤ人伝説』を模した海賊版かな。」
ラドチャイ「ご名答、さすがアイーダ。これはHGフィギュアのパチモンだ。」
アイーダ「このクオリティのパチモンなら、誰も掴ませられることはないでしょ。」
ラドチャイ「今はまだね。」
アイーダ「なんか含みがあるなあ。…ラドチャイ、一体君は何を言いたいんだ。結論から言ってくれないかい。」
ラドチャイ「オーケイ。結論を言おう。これは未来の話だ。」
アイーダ「未来の話?」
ラドチャイ「近いうちにパチモンは、バンダイの正規品のクオリティを超える。これからはパチモンの勃興、バンダイの衰滅の時代が始まるんだ。」
アイーダ「な、何を馬鹿なことを…!ありえない!」
ラドチャイ「それがありえるんだよ、アイーダ。最近のパチモンは少しづつだか質が上がってきている。一方バンダイの正規品はどうだ?」
アイーダ「…。」
ラドチャイ「君の『HG ドラゴンボール超 SILVER EDITION』のレビューを見たよ。フィギュアの塗装は汚い上に、クリアパーツの髪の中にゴミが入っていたそうじゃないか。」
ラドチャイ「HGを買い続けている君が一番痛感しているだろう。HGのクオリティは徐々に下がってきていることを。」
アイーダ「…。」
ラドチャイ「私の開発したスーパーコンピューターゴッドの計算によると、2024年にパチモンと正規品の立場が逆転する。」
アイーダ「ラドチャイ…お前は一体何者なんだ?」
ラドチャイ「パチモンを売買することを生業とした者さ。アイーダ、君には我々の扱うパチモンを君のブログでオススメして欲しいんだ。」
アイーダ「…。」
ラドチャイ「君たちドラゴンボールファンだって質の低いものより高いほうが良いだろう?」
アイーダ「ふ…。」
ラドチャイ「?何がおかしい?」
アイーダ「一番肝心なことを分かっていないようだな。おめえらのパチモン商売の負けだ…!」
ラドチャイ「なに?」
アイーダ「ドラゴンボールファンが見ているのは、フィギュアの出来不出来だけじゃねえ。」
ラドチャイ「なんだと…他に何を!?」
アイーダ「ドラゴンボールという作品の未来だ。ドラゴンボールのテレビアニメや映画が未だに作られるのは、公式の商品が売れるからだ。売り上げがなくなれば作品っていうのは消えちまうんだ。パチモンなどの無版権物がいくら売れたところで、ドラゴンボールの未来には繋がらねえ。」
ラドチャイ「…!!」
アイーダ「そんなこともわからねえおめえに商才はねえ。それとあと一つ。これを見ろ。」
ラドチャイ「それはレビュー時に、ゴミが入っていたフィギュア!だが、ゴミがない。綺麗になっている。」
アイーダ「初期不良がある商品はバンダイに言えばちゃんと交換してくれるんだ。おめえらはこんなアフターフォローをしてくれんのか?」
ラドチャイ「…!!」
アイーダ「パチモンなどの無版権物に手を貸すつもりはねえ。俺は日本に帰る。今ならぎりぎり今日中に帰れそうだ。」
ラドチャイ「な…な…。」
アイーダ「二度とパチモン商売するんじゃねえぞ。おめえのツラはもうみたくねえ。」
20:35
帰りの飛行機。
機内でドラゴンボールの未来に想いを馳せ、目を閉じた。
完
※この物語はフィクションです。物語の舞台がタイであることに深い意味はありません。
あなたと同じドラゴンボールファンで、当サイト/ブログ「オモチャラヘッチャラ」の元管理人。子供の頃は、月曜にドラゴンボールの原作最新話、水曜にアニメドラゴンボール、年に1〜2回東映アニメフェア・劇場版ドラゴンボールを見られるという幸せな日々を過ごす。
ラドチャイ悪いヤツですね〜(笑)
ドラゴンボールのガレージキットなどはほとんど無版権らしいですね。ネットで見る分には楽しいですが買おうとは思わないです。
プレバンで出るベジータ&ナッパを皮切りに正規品でドラカプより大きいジオラマが沢山登場してくれると嬉しいですね!