ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴(1993年)
こんにちは!小学生の頃は胸をときめかせながら、毎年、春or夏の東映アニメフェアの到来を待っていたアイダです(・∀・ )!
前回の「【ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦(ブロリー)レビュー】内容や当時の劇場パンフレット、カードダス、ドラ消しで振り返る」に続き、今回も過去映画の内容や、パンフレット、当時のグッズを振り返ります。
今回はZの劇場版9作目(通算12作目)の1993年7月10日公開「ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴(ボージャック)」です。
それではちぇけらー♪
<下へ続く(以下ネタバレ含みます)>
銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴のポイント
ポイント1.超サイヤ人2孫悟飯(少年)の魅力を活かした脚本
©バードスタジオ/集英社/東映アニメーション
孫悟飯は、命のやりとりをする戦いが好きではない優しい少年である。
超サイヤ人2へ覚醒すると、戦闘力が上昇し、断罪を躊躇わない人格へと変化する。
©バードスタジオ/集英社/東映アニメーション
この超サイヤ人2孫悟飯(少年)は、原作連載当時のドラゴンボールキャラクター人気投票で一位になるほどの人気を得ている。
超サイヤ人2孫悟飯(少年)は何故ここまで人気を得たのか。
戦闘力の高さによる魅力。
普段の性格とのギャップによる魅力。
それらもあるが、超サイヤ人2孫悟飯(少年)の魅力は単にキャラクター個別の特徴だけではなく、物語の構造自体まで視野に入れて考える必要がある。
変身による性格の変化は単なる二重人格的メタファーではなく、学校・会社などのコミュニティにおける役割的メタファーとして描かれている。
劇中で父親の孫悟空が悟飯に言う。
「甘ったれてるんじゃねえぞ!地球はおめえが守るんだ!」
これが本作における孫悟飯の役割だ。
悪を断罪するという自分が好きではない役割を振られたのである。
そこに視聴者との共通性が生まれる。
人間誰しも学校・会社などのコミュニティで、普段の自分とは違う役割を演じなければならない時がある。
だから視聴者は孫悟飯に感情移入し、その役割を全うした孫悟飯に喝采する。
物語の中でコミュニティにおける役割を取得し成功させるというプロセスこそが超サイヤ人2孫悟飯(少年)であり、それが超サイヤ人2孫悟飯(少年)の魅力の一つともなっている。
©バードスタジオ/集英社/東映アニメーション
本作は、キャラクター表層的な部分だけではなく、物語の構造まで原作のそれを理解し描かれている数少ないアニメオリジナル脚本の一つとも言える。
本作の脚本を書いたのは、アニメ・ドラゴンボールZのメインライター・小山高生さん。
彼が書くドラゴンボールGTやドラゴンボール超も見てみたかった。
<下へ続く>
ポイント2.二つの意味で引き立て役になったベジータ
©バードスタジオ/集英社/東映アニメーション
ドラゴンボール劇場版DVDBOXのインタビューでも、主人公との対比ゆえの引き立て役になっていると説明されている劇場版ベジータ。
本作では、二つの意味で引き立て役になるいう快挙を果たす。
1.戦闘力的な引き立て役
©バードスタジオ/集英社/東映アニメーション
終盤の「悟飯、それにしてもお前はたいしたもんだよ。あのピッコロやベジータでも手も足もでねえ相手を1人で倒しちまうんだよな」とセリフがある通り、孫悟飯の強さを見せるための引き立て役に。
2.父親としての引き立て役
©バードスタジオ/集英社/東映アニメーション
息子・トランクスの危機に助けに来るベジータ。
一見ベジータのためのシーンに見えるが、ここが小山脚本の恐ろしいところ。
インタビューにて孫悟空との対比と語っている通り、このシーンは後に悟空が息子・悟飯を助けるシーンの対比となっている。
ベジータは息子を助けに来たものの、手出し無用と息子を拒絶するどころが肘鉄をかますという、全く意思疎通ができない父親として描かれていて
©バードスタジオ/集英社/東映アニメーション
一方、孫悟空の方は息子のやる気を引き出す父親をして描かれている。
©バードスタジオ/集英社/東映アニメーション
ベジータの肘鉄がある故に、悟空の父親感がより際立っているのである。
また序盤でチチとブルマが互いの息子の件で口論しているが、これはただの小競り合いではなく、物語が孫悟空一家とベジータ一家との対比構造であることを示唆している。
©バードスタジオ/集英社/東映アニメーション
脚本的には、綺麗な引き立て役となったベジータ(一家)。
ただベジータファンがこれで納得いくかは…。。
ポイント3.ボージャック
©バードスタジオ/集英社/東映アニメーション
その昔、東西南北の銀河を破壊しようとした凶悪な戦士。
4人の界王の力によって、銀河の果てに封印されていたが、界王の1人が死んでしまったため、復活。
劇中本編ではボージャックのキャラの掘り下げるようなエピソードがほぼなく、セリフも少ないためのキャラクター(性格等)描写はかなり浅め。界王様の説明セリフにほぼ依存といったところ。
▼終盤で部下ザンギャを消すシーンは、ボージャックの「悪」の最大の見せ場。
©バードスタジオ/集英社/東映アニメーション
彼のこの行為のおかげで、悟飯はザンギャを仕留めずに済むことに。
流石に作り手も、孫悟飯に女性キャラを他の部下キャラのように真っ二つにさせるわけには行かなかったのでは。
<下へ続く>
銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴のメディア展開
パンフレット
▼内容はいつも通り、物語の結末までわかりやすく説明したものです。
▼今回の特集は、スポーツ新聞風のデザインに。
▼天下一武道会特集も!
▼パンフの表2は懐かしのきゃらかーんや超戦士大全など!
▼パンフの表3はジャンプフェスタの前身ともいえる「ジャンプマルチワールド」(パンフのレビューはこちら)の広告。
▼映画館で買えるグッズも楽しみの一つ。
▼劇場で買えたタペストリー。
▼劇場で買えた消しゴム。
同時上映の幽☆遊☆白書
少し余談ですが、昔のドラゴンボールの映画は東映アニメフェアにて他作品と同時上映で公開されていました。
ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴の同時上映作品が、Dr.スランプと幽☆遊☆白書です。
幽☆遊☆白書は、東映動画作品ではなくスタジオぴえろの作品です。
東映アニメフェアで、東映動画作品以外の作品が入るという珍しい組み合わせでした。
▼左が銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴と同時上映した幽☆遊☆白書です。
▲右がその一年後に単独で映画公開された幽☆遊☆白書の映画です。
この時代のジャンプ作品での単独映画公開もまた珍しいものでした。
<下へ続く>
カードダス
前作の人造人間13号はプリズムカードがなかったのですが、ボージャックは本弾・スーパーバトル共にプリズムカードがありました。
ドラ消し
▼ボージャック
フルカラーバトル超武闘伝2(レビューはこちら)
120万本の売上を誇るスーパーファミコンソフト・ドラゴンボールZ超武闘伝2のプレイキャラがラインナップとなっているミニフィギュアセットです。
▼スーパーファミコンソフト・ドラゴンボールZ超武闘伝2
宣伝用映画ポスター(非売品)
以上、「【映画ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴(ボージャック)レビュー】内容や当時の劇場パンフレット、カードダス、ドラ消しを振り返る」でした!
次回は更新日は未定ですが、「【映画ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない(ブロリー)レビュー】内容や当時の劇場パンフレット、カードダス、ドラ消しを振り返る」です。
最後まで読んでくれて、ありがとー(・∀・ )!
その他のドラゴンボール過去映画を振り返る特集は
こちらをクリック!
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【追記】コメントへの返信(2020.10/12)
再び、こんにちは、アイダです(・∀・ )!
ご覧下さったあなたに、ページ下部でコメント下さったあなた、ありがとうございます。
>ドラゴンボールの敵としては割と人間なフォルムなボージャック、声の補正もあってフルパワーも含め好きなんですよね
ボージャック一味こそプレバンHGで出して欲しい…
玄田哲章さん、良いですよね^^
スッパマンやジャネンバも良いですし、シュワちゃんの吹きかえや戸愚呂〈弟〉も好きです。
ボージャック一味はプレバンHGで出して欲しいですね。
今のところボージャックは昔でたハイクオリティキーホルダーで補完しています。
>この映画は敵キャラの魅力こそ他の劇場版よりも劣ると思いますが、物語自体はシンプルに起承転結分かりやすく綺麗に纏まっていてドラゴンボールzの頃の劇場版の中では個人的に1番面白いと感じています。天津飯やヤムチャなど久しぶりに劇場版でスポットを浴びて嬉しかったりもしますしね(笑)
そうなんですよね、天津飯・ヤムチャが久々に参戦しますね^^
餃子も観客としていますし。こんなに揃うのは地球まるごと〜以来なんですよね。
主人公サイドの脚本は短いながらもうまく纏まっていると思っています^^
>こんにちは、アイダさん!
やっぱり旧DB映画って掘り下げるほど見方や考え方が変わったりして面白いですよね。ベジータがあまり活躍しない理由だったりそういうのは初耳でした。脚本家の方の工夫なども知った上で観るとさらに世界が広がりますね。ちょっと今から見返そうかと思います。(余談ですが、G×materiaでロゼブラックとドッカンバトルコラボフィギュアが出るそうです)
ベジータは間違いなく引き立て役として機能していますが、90年代の映画作品でもう少し活躍みてみたかった気もしています^^
見返したら新たな発見があるかもしれませんね^^b
>この映画の見どころはたくさんあります!
まず未来トランクスと天津飯のバトル!
仲間で久々に戦うわけですからアツいですよね。
ゴクアとのバトルで未来トランクスが勝ったのもポイント。悟飯以外のZ戦士が勝利したわけですからね。
あとはピッコロとヤムチャと天津飯らの活躍が実質、最後なところも見逃せない。
(後に神と神が公開されますが。)
最後はベジータが戦線に復帰するところ。これはうまく原作を補完していると思います!
長文、失礼!
僕の記事の補完ありがとうございます^^
どれも良いところですね。
天津飯vsトランクスは、良い戦いでしたね。
爽やかな試合感があり良い感じでした。
ベジータの戦線復帰もあって良かったですね。
>DBという作品をここまで深く読み込んでいる方は初めて見ました
こうしてみると原作もかなり練り込まれた作品なんですね、ネットでたまに見る鳥山先生はあまり考えないで描いていると言う意見に自分は流されていたかもしれません…
ボージャック映画、久しぶりにレンタルして見直してみようかと思います
僕はとても考え込まれた漫画だと思っています^^
さらにその考えをわかりやすくシンプルに伝える技術が、鳥山先生にはあるかと。
精神と時の部屋から出てきた孫親子が、超サイヤ人1でも平常時みたいに落ち着けるようにしたのも、孫悟飯の超サイヤ人2覚醒時のために用意したギミックだと思っています。
超サイヤ人1を平常時の性格にした方が、超サイヤ人2覚醒した時の性格の振り幅が大きくなり、効果的な演出が生まれるので。
とにかく原作ドラゴンボールは、本当考えられた作品だと思っています。
>初めて見た劇場作品だからかも知れませんが1番好きな作品です。実際、今年全ての作品見返しましたがやはり変わりません!
何というか、良い捉え方で全ての劇作品の中でまともに仕上がった印象です。
表現が難しいですが…
唯一、ボージャック一味がドラクエのキャラデザに寄りすぎてる感じであまり好きにはなれなかった事ですね。
ドラクエあまり、知らないので…
主人公サイドの脚本は綺麗で良いですよね^^
いろんなキャラでてますし。何より超サイヤ人2悟飯が物語的にも作画的にもちゃんと描けています。
>ドラゴンボールの敵キャラは魅力的なのしかいませんね^^
ボージャックは最近ヒーローズのアニメにも衣装違いで登場してます。
ゴクア対トランクスのイケメン対決もいいですし天津飯対トランクスも熱いですよね!
ゴクアと言えば魔人オゾットまで登場してるヒーローズには何故か変身ゴクアがいなかったりしますw
ゴクア対トランクス良いですよね^^
未来トランクス最後の出演作にふさわしい中ボス撃破でした。
このころの映画ドラゴンボールって、腹を破るパンチ多いですよね(笑)。
あなたと同じドラゴンボールファンで、当サイト/ブログ「オモチャラヘッチャラ」の元管理人。子供の頃は、月曜にドラゴンボールの原作最新話、水曜にアニメドラゴンボール、年に1〜2回東映アニメフェア・劇場版ドラゴンボールを見られるという幸せな日々を過ごす。
ドラゴンボールの敵としては割と人間なフォルムなボージャック、声の補正もあってフルパワーも含め好きなんですよね
ボージャック一味こそプレバンHGで出して欲しい…